2016年8月 1日 (月)

本 『「弱虫」でも強くなる! 一つ上のロードバイク<プロ技>メソッド』

Dsc_0193


『「弱虫」でも強くなる! ひとつ上のロードバイク<プロ技>メソッド』

山崎 敏正 著  SB新書

山崎さんは、大阪、京都で3店舗を展開するロードバイク専門店「シルベストサイクル」の統括店長を務めている方です。

幻のモスクワオリンピックの日本代表選手にも選ばれたことがあり、今も現役選手として実業団レースにも参加し、57歳で日本歴代最高年齢で優勝もなしとげています。

全然弱虫ではないのですが、私たち中高年に参考になることがたくさん書かれていたのでいくつか紹介します。

その1 歳をとってもパフォーマンスは向上する!

ロードバイクは、歳をとって始めても年々パフォーマンスは向上するので50代にして自分史上最強も可能とのこと。つまり中高年にはのびしろがたくさんあり、練習の仕方によってどんどん伸びるということ。これは、嬉しいですよね。

本にあったグラフを引用します。

Dsc_0196

トップレベルでやってきた人たちは加齢によって急速にパフォーマンスは低下しますが、年齢を重ねて始めた人は、どんどん上向きに。よってその差は縮まっていくとのことです。

他のところで練習のことが書かれていますが、例えてとして練習は、穴のあいたバケツに水をためるようなものだと言っています。

穴が加齢ですね。これは年々大きくなっていきます。水の量はパフォーマンスのレベル。

練習をしなければ、どんどん水は減っていきますが、続けていけば現状維持が可能。さらには、水を増やしていくことも出来るとこのことです。

中高年に明るい希望を与えてくれる言葉ですね。

その2 加齢による体力の衰えを機材でカバーせよ!

さすがロードバイク店長です。若者に対抗するために適度にお金をかけろということです。

店長曰く、パーツをグレードアップすると走行感が劇的に変わり、まるで別のバイクのように変わってしまう。

一番お薦めなのは、ホイールの交換。カーボンクリンチャーホイールがお薦めで、特にROVALのRAPIDECLX40がいいと言っています。覚えておこうっと。

でも、英文は覚えられないので、無理かも。

その他、ハンドル、シートポスト(カーボンがお薦め)、サドルなどが紹介されています。

ロードバイクは、完成しないプラモデルのようなものとも言っています。パーツの交換によっていつまでも楽しめるとのことです。

その3 正しいポジションで乗れ!

正しいポジションで乗れと言っています。一番いいのは有料フィッテングサービス。さすがに自転車屋店長です。

といっても、都会では、いろいろなサービスがお金を出せば受けられますが、田舎ではなかなかないのも事実。自分で理解して、試行錯誤するのも止むをないのかなと思います。

で、店長の考える一般的なポジション。

サドル高=股下×0.88

SB寸法=サドル高×0.96

SB寸法とは、サドルの先端(S)からブレーキバーの握り部分であるブラケット(B)までの直線距離。サドル高よりちょっと短い距離ですね。

ハンドルの高さ=身長160cmだとハンドルとの落差が2cmくらい、180cmだと10cmくらい。

「やまめ乗り」だと、サドル高よりSB寸法の方が大きくなりますね。この場合、乗り方もまた大きく変わってくるということです。

この他に、練習の仕方、身体のケアの仕方、食事の仕方など参考になることがたくさん書かれています。

中高年ライダーの方は、一度読んでみるといいと思います。

SB新書は、よくまとめらていて読みやすいです。大切なところは網掛けしてあるのでよりいっそう読みやすくなっています。

↓よかったらポチッとしてください。

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

2016年7月 2日 (土)

本 『スティグマータ』

Img_uuysh9

『スティグマータ』 近藤史恵著 新潮社 ¥1,500+税

以下、簡単なあらすじです。(最初だけ)

ヨーロッパに来て5年の白石誓(しらいしちかう)、通称チカは、プロチームを転々として、現在は、バイヨンヌを拠点に練習に励んでいる。

そんなチカのもとに、かってのチームメイト、伊庭和実(いばかずみ)が、近くに転居してくる。

伊庭は、いま売り出し中の選手で、ヨーロッパのレースでの優勝経験が認められ、新興のビックチームに引き抜かれたのだ。

伊庭は、ロードレース界のレジェンド、メネンコが自分のチームで復帰するというビッグニュースをもたらす。

メネンコは、数々のツールで優勝をなしとげたが、ドーピングを告発され、出場停止処分を受けた身なのだ。年齢の関係から復帰は無理と考えられていた。また、メネンコは、チカたちの世代にとっては憧れの存在なのだが、一緒に走った選手の中ではすこぶる評判が良くない。(アームストロングがモデルなのかしら?)

そんな、メネンコがチカに会いたいと言う。

憧れのメネンコに会ったチカは、メネンコから驚きの依頼をされる。

かくして、それぞれの選手は思惑を胸に秘めて、ツール・ド・フランスが開催される。

と、ここまで読みました。これからどうなるか気になります。

稀代のストーリーテーラー近藤史恵さんの新刊です。

1~2年したら文庫になると思いますが、それまで待てない人、ぜひ単行本を買ってくださいね~。

『スティグマータ』という意味は、調べてません。まあ、読んでいくうちにわかるだろうと思って...。

自転車小説は、面白いですね~。

話は変わって、アームストロングを題材とした『疑惑のチャンピオン』という映画が公開されるそうです。

でも、こちらの地方の映画館までは来ないんだろうなあ。こちらの映画もチャンスがあれば観たいって思ってます。

自転車映画も面白いですね~。

↓よかったらポチッとしてください。

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

2016年6月 2日 (木)

『<坂バカ式> 知識ゼロからのロードバイク入門』

Dsc_0061


『<坂バカ式> 知識ゼロからのロードバイク入門』 日向涼子(ひなたりょうこ)著 SB新書

本の紹介です。

『ファンライド』などの表紙を飾っていたモデル、日向涼子さんが、いかにして<坂バカ>となったのか興味があって読みました。

読んでみて、私と日向さんのロードバイク歴は、それほど変わりません。日向さんが、2010年の秋からで、私が2012年の春からです。

乗る前は、まったくロードバイクのことを知らなかったのも一緒でした。

日向さん、最初にロードバイクに乗ったとき、シフトアップはわかったのですが、シフトダウンの方法がわからず、自転車屋さんに駆け込み、やっと方法がわかったとのこと。

私も同じ経験をしました。SORAだったのですが、親指のレバーを押せば、シフトアップするのはわかったのですが、シフトダウンできず・・・。

自転車屋さんに行き、初めて方法がわかりました。その当時は、まさかブレーキが内側に倒れるなんて思いませんでした。

何もわからず、とりあえず乗ってみることから始めるところに共感を持ちました。

そんな、日向さん、2012年、初めてのヒルクライムレース、ツール・ド・八ヶ岳に参加。6位入賞を果たし、すっかりロードバイクのとりこに。

シーズンオフも、トレーニングに励み、2015年には、エタップ・デュー・ツール(142km、獲得標高4300m、完走率50%以下)をみごと走破。

今や、サイクルイベントには欠かせない存在になっています。

私自身、坂バカになる要素はほとんどありませんが、自転車に取り組む姿勢とか、シーズンオフのトレーニングとかは大変参考になりました。

文字密度が薄い本なので、すぐ読めてお手軽です。

日向さんの歴代ロードバイクの変遷もカラーで出ていますので参考になります。

さて、彼女が表紙を飾っていた『ファンライド』誌ですが、残念ながら、2015年9月号で休刊になりました。

現在は、WEBで記事が公開されています。

日向さんの連載マンガ?も載っていますので興味ある方は見てくださいね。

→ 銀輪レディの窓

↓よかったらポチッとしてください。

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

2016年1月11日 (月)

本 『赤めだか』

Img02358

『赤めだか』 立川春談著 扶桑社文庫

昨年末の12月28日、たまたまテレビを見ていたら、『赤めだか』が放送されていました。

立川談志の弟子になった立川春談の前座時代のことが描かれていて、談志をビートたけし、春談を嵐の二宮和也が演じていました。

ビートたけしと談志は、まったくタイプが違うと思うんですけど、見ているとだんだん談志に見えてくるから不思議です。

二宮和也もなかなかよかったです。落語の部分もたくさん出てくるのですが、落語家のように話をしていました。さすがですね。

弟弟子の志らくも出て来て、浜田岳が演じていましたが、これもまた良かったです。

ということで、原作本を読んでみました。

こちらもとても面白かったです。談春さん、文才もあります。

ドラマの中で、印象に残った場面を紹介します。

談春さん、弟子になってから1年ほどたって、談志から築地場外市場への修業を言い渡されます。社会に出て、厳しさを味わい修業してこいというわけです。

師匠の言葉は絶対。逆らうことはできません。談春さん、落語を離れて、日々魚河岸で働きます。

そんな時、弟弟子に志らくが入門し、同じように魚河岸修業を命じられます。しかし、その返事が「いやです。私は落語を教わりに来ているのですから・・・」

それじゃ破門だと談志が言うと、「それもいやです」との返事。談志、「それじゃしょうがいない、家にいろ・・・」

それを聞いた談春さん、烈火のごとく怒り、師匠の家に駆けつけ、破門覚悟で抗議をしようとします。

家にかけつけると、談志が志らくにけいこをつけているところで、談春さん、それを聞きます。

志らくさんの落語はすばらしいもの。それに続いて談志が言います。

「お前には、嫉妬とは何かを教えてやる」

「己が努力、行動を起こさず対象となる人間の弱みを口であげつらって、自分のレベルまで下げる行為、これを嫉妬と言うんです。一緒になって同意してくれる仲間がいればさらに自分は安定する。本来なら相手に並び、抜くための行動、生活を送ればそれで解決するんだ。しかし人間はなかなかそれができない。嫉妬しているほうが楽だからな。芸人などそういう輩のかたまりみたいなもんだ。だがそんなことで状況はなかなか変わらない。よく覚えておけ、現実は正解なんだ。時代が悪いの、世の中がおかしいと云ったとこで仕方がない。現実は事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、何故そうなったのかという原因があるんだ。現状を認識して把握したら処理すりゃいいんだ。その行動を起こせない奴を俺の基準で馬鹿と云う」

談春さん、その言葉を聞き、そっと来た道を引き返し、魚河岸の修業に戻ります。

談志さんの人間の洞察力と言葉で語る力すごいですよね。

このようなエピソード、たくさん書かれています。

ぜひ、多くの方に読んで欲しい本でした。

談春さん、このごろTVドラマの俳優としてもご活躍のようです。最近では、「下町ロケット」にも出ていたみたいです。この本を読んで、TVでも本物を観たいなあと思いました。

↓自転車と関係なけど、よかったらポチッとしてください。

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

2015年11月14日 (土)

本 『満州国演義三 群狼の舞』

Img023531


『満州国演義三 群狼の舞』  船戸与一著 新潮文庫

今年4月に71歳の若さで亡くなった冒険小説家船戸与一の遺作です。

満州国建設から滅亡までの20数年間を描いています。

物語は、旧家敷島家の4兄弟を中心に進みます。

長男太郎は、満州国在住の外交官。最初は、露骨な策謀をめぐらす軍部に批判的な立場でしたが、時代に流れにのって軍部を支援する立場に変わっていく。

次郎は、国内の酒場での喧嘩から片目を失い、大陸に渡り馬賊となる。

馬賊の中で頭角を現し、馬賊の棟梁となるものの、罠にはまり部下を失うという波乱万丈の人生を送る。

三郎は、憲兵隊員として活躍。満州国建国に深く関わることとなり、国のためにと熱い思いで職務に没頭していく。

末っ子の四郎は、大学で無政府主義の影響を受けるが、ある事件をきっかけに謎の人物間垣徳蔵に弱みを握られ、中国に渡りその手下となって働くことになる。

張作霖爆殺事件、満州事変、上海事変、5・15事件・・・

歴史の教科書で習ったことだが、その順番や関連性までは知らない。

この小説では、これらのことが出て来て、どのように満州は建国され、滅亡していったのかよく理解できる。

既刊は3巻まで。これから9巻までの6巻の刊行が予定されている。

今後の進展が楽しみである。

□今後の刊行の予定

4巻 炎の回廊  2016年1月刊

5巻 灰燼の暦  2016年2月刊

6巻 大地の牙  2016年3月刊

7巻 雷の波濤  2016年6月刊

8巻 南冥の雫  2016年7月刊

9巻 残夢の骸  2016年8月刊

↓よかったらポチッとしてください。

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

2015年10月10日 (土)

本 『職業としての小説家』

Img022771


『職業としての小説家』 村上春樹著 スイッチ・パブリッシング ¥1,800+税

マスコミでは、毎年ノベール文学賞受賞かと大騒ぎされている村上春樹さんですが、今年も受賞を逃してしまいました。

この騒ぎは、毎年恒例なので、もういいかげん御仕舞にすればと思うんでけどね。

その村上春樹さんが、小説家としての自己の考えをまとめた最新エッセイ集です。

マスコミ等にほとんど出ない村上さんが、自分のことを書いた本なのでたいへん興味深く読みました。

第2回「小説家になった頃」では、小説家になった頃のことが詳しく書かれています。

1978年の4月のある晴れた午後、神宮球場の外野の芝生の上で、ヤクルト対広島の試合を見ていて突然「そうだ、僕にも小説が書けるかもしれない」と思い、小説を書き始めます。

こういう突然のひらめきを、英語でエビファニーと言うそうです。日本語では、「本質の突然の顕現」とかの意味らしい。

こういうことは、人生に何度かあるものらしいですけど、そのひらめきを現実のものにしてしまう人と、たんなるひらめきで終わってしまう人がいるような気がします。

圧倒的に後者が多いと思いますが。その意味で、村上さんはすごいと思いました。

そのひらめきの後、村上さんは、忙しい仕事の合間を縫って最初の作品を書き上げます。

しかし、その作品は、村上さんが満足のいくものではありませんでした。

それで、今まで方法(原稿用紙に万年筆で書くこと)をやめて、タイプライターを使い、英語で作品を書き出しました。

さらに、その英文を日本語に翻訳して出来たのが、処女作『風の歌を聴け』です。

英語では、日本語のような語彙がないので、必然的に易しい言葉を組み合わせていくことになります。

そこで村上さんが学んだことは、「何も難しい言葉を並べなくていいんだ」ということ。

ここに、読みやすいけど内容が深いという村上さんの文学の原点があるような気がしますね。

この本が、全部で12章からなっていて、その他にも、村上さんの小説について、小説を書くことについての考えが書かれています。

その他に、文学賞(芥川賞)や海外進出についての考えなども書かれていて興味深いです。

村上さんの作品を読み、感じるものがある方には大いにお薦めの本です。

↓よかったらポチッとしてください。

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

 

2015年9月26日 (土)

本 『自転車の教科書』

Img02279


『自転車の教科書』 堂城 賢 著 小学館 ¥1,400+税

自転車ブログなどでよく紹介されている本ですが、この度本格的に読んでみました。

堂城さんとの関わりは、普通の方とはちょっと変わっているので書いてみます。

①たままた本屋で『自転車の教科書 -身体の使い方編-』が目にとまり買ってみる。

②ぱらぱらとめくり、斜め読みをして、そのまま放置する。

③ブログの皆さんが推薦するので元祖『自転車の教科書』を購入する。

④そのまま読まないで未読本のコーナに放置する。

⑤美瑛センチュリーライドで、堂城さんの講義を聴き、なるほどと感心する。

⑥『自転車の教科書』を、真剣に読んでみる。 ← 今、この段階

といことで、紆余曲折を経て、この本にたどりつきました。

この本を読んで、中心の「おじき乗り」について、だいぶ理解が深まりましたが、その他のことでもなるほどと思うことがありましたので、以下備忘録的に書いてみます。

自転車を「ちゃんと」乗るためには、

1.基礎体力が必要

100km、200km自転車に乗れたからと言って、基礎体力があるとは言えない。自転車は、小さな負荷しかかからないので、それだけでは基礎体力はつかない。

堂城さんの提唱する身体つくりのポイントは、次の4点。

①足首を柔らかくすること

②背筋を鍛えること

③お尻の筋力を鍛えること

④良い心臓と肺を作ること

で、これらの力をつけるには、歩くのが一番いいそうです。

そう言えば、自転車を始めてからは、あまり歩くことがなくなりました。自転車に乗る前は、毎日1時間くらいのウォーキングをしていたのですが、その時のほうが体力があったかもしれません。

「自転車に長く乗っているだけでは、体力つかない」に納得しました。今度から、機会を見て歩きたいと思います。

そういう意味では、半年ほど外で自転車に乗れない北海道は、条件的に恵まれているかもしれませんね。その間に歩いたり、走ったりすればいいわけですから。

自転車を「ちゃんと」乗るためには、

2.バランス感覚を養うこと

①ケンケン乗りを右からでも左からでもできること

自転車に乗り始めたときやるケンケン乗りですよね。多くの人は、自転車の左からのケンケンはできるけれど、反対の右からケンケンは、ほとんど出来ないと書いてありました。

実際やってみると、出来ない・・・

バランスとるのが難しく、全然できませんでした。

自転車は、左右均等に出来ているため、左右同じ力をかけることが必要なのですが、多くの人は得意、不得意がある。それを、なくす練習をしなければならないと言っています。

で、練習していくと少しずつ出来るようになって来ました。

②自転車を静止できようになること

重心に乗っていれば出来るそうですが・・・

これは難しいです。

超ゆっくり走るとなんとかバランスとれますが、止まると1秒ももちません。

これは、これからも修業が必要なようです。

③八の字練習で、カーブの曲がり方を会得せよ

朝練習のコース中に、今はやっていないパチンコ屋さんの駐車場があるので、そこで練習するようにしました。

なかなか小回りで回れません。

これも、毎日の練習が必要ですね。

自転車になにげなく乗っていましたが、このように出来ないことたくさんあることがわかりました。

自転車は、奥が深くて、面白いです。

この本を読んで、自転車を「ちゃんと」乗れるよう練習していきたいと思いました。

まだ、読んでない方、お薦めです。

↓よかったらポチッとしてください。

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

2015年8月27日 (木)

本 『エスケープ』

Img_20150811_084255


自転車本の紹介です。

『エスケープ』 佐藤 喬 著  辰巳出版  ¥1,500+税

副タイトルは、「2014年全日本選手権ロードレース」。

2014年6月29日、岩手県八幡平で行われた全日本選手権ロードレースを著者が、出場選手から取材し、ルポ風にまとめた本です。

1周15.8kmのコースを16周、計252.8kmで争われるはずでしたが、悪天候のため221.2kmに短縮。

日本のトップレベルの選手120名が参加して行われました。

普通、逃げ集団は、どこかで大集団で吸収されるはずなんでけど、この時は、いろいろな思惑から、最後の1周まで吸収されずに先行します。そして、その逃げ集団の中から優勝が決まるという展開になりました。

なので、エスケープというタイトルになっています。

逃げ集団の中から3人が抜け出します。そのメンバーは、次の通り。

①佐野純哉(那須ブラーセン)

国内トップレベルの力を持ち、イタリアチームに所属するが、異国でうつ病を発症。2013年の日本選手権は、早々に落車。再起を期して那須ブラーセンに所属し、全日本に臨む。

②井上和郎(ブリジストンアンカー)

強豪ブリジストンアンカーチームのキャプテン。大集団にいるエース清水都貴を勝たせるために逃げ集団に加わる。だが、大集団は追いつかず。逃げ集団にあって、どのように展開させるべきか大いに悩む。最後には、自分で勝つことを目指すが・・・

③山本元気(NIPPO)

ロードの前で行われたタイムトライアルでは第3位。ゴール前のスプリントでは、2人に負ける。勝つためにはロングスパートしかない。坂の上がり口で、ロングスパートをしかけるが・・・

それそれの選手の、思いが丁寧に描かれていて、どのようになるのか、わくわくどきどきしながら読めます。

最後は、誰が勝のか?

わずかな判断が勝敗を分けます。

レースに詳しい方は結果を知っているのでしょうが、だいたいの方は知らないと思うので、楽しく読めると思います。

著者は、全日本チャンピオンを決める大会でさえ、観客が100名程度しかいない現状をなげき、少しでもレースの魅力を知ってもらいたいということで書いたとのことです。

人気漫画『弱虫ペダル』では、たくさんの観客がいて応援していますが、現実はそうではないようですね。

日本でも、もっとロードレースが注目されるといいですね。

私、レースはしないのですが、なかなか楽しく読むことができました。

2015年のレースは、どうなったのかな?

同じシリーズで2015年版も書いてほしいなあと思いました。

↓よかったらポチッとしてください。

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

2015年8月11日 (火)

本 『流』

前に紹介した又吉君の『火花』は、みごと芥川賞に決まりましたね。

文芸春秋の選者講評も見ましたが、おおむね良い評価を得ているみたいです。

単行本は160万部を突破ということで、文芸書がこれだけ売れるというのは近年なかったことですね。

又吉君の次回作が期待されます。

今回は、第153回直木賞を受賞した『流』を紹介します。

Img_20150811_084221


『流』 東山彰良著 懇談社 ¥1,600+税

直木賞受賞が決まった日に買いました。帯は間に合わなかったんですね。

1975年の台湾の台北。主人公の祖父が何者かに殺されるところから物語は始まる。

この時主人公、葉秋生(イエ チュウション)は、17歳。計算してみると、私と同じ年ではないですか。どうりで出てくる話題や世俗が良くわかると思いました。

日本も台湾も共通なところがたくさんあったんですね。

最後には、祖父殺害の犯人が判明していくのですが、これは物語の縦糸。

横糸として、秋生の青春期をたくましく生き抜く姿が描かれています。

①超一流進学校に通っていたが、ある事件を引き起こし、悪名高き不良学校に転校することに。不良に目をつけられ、多人数に取り囲まれて絶対絶命。その時とった秋生の行動とは・・・。

②幼馴染の悪友、小戦(シャオジャン)がヤクザ組織に連れ去られ、命の危機に。秋生と叔父の宇文(ユイウェン)は、祖父の銃を手にヤクザのあじとに殴り込む。果たして三人の命は助かるのか・・・。

③幼馴染で遊び友達だった2歳上の毛毛(マオマオ)が、お年頃になり魅力的な女性に成長。その魅力に気づき恋に落ちた秋生は、なんとか毛毛の気を引こうと・・・。どのようにして魅力的な年上の女性の心をつかむことが出来るのか・・・。

小説好き・ドラマ好きならワクワク・ドキドキする展開が満載です。自分の人生は、こんなにドラマチックではなかったのですが、青春時代のはちゃめちゃな感じは同じだと思いました。

直木賞選考者が、「20年に一度の傑作」と太鼓判を押した作品です。ぜひ、ご一読を。

特に50代後半の熟年にお薦めです。青春時代をもう一度・・・。

↓自転車と関係ないけど、よかったらポチッとしてください。

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

2015年6月25日 (木)

本 『ちゃんぽん食べたかっ!』

Img020101


『ちゃんぽんたべたかっ!』 さだまさし著 NHK出版 \1,500+税

さだまさしの新刊。

「食べたかっ」の「か」は、疑問じゃなくて願望。

長崎生まれの佐田雅志は、小学校時代にバイオリン大会で入賞。

その才能を生かすべく、バイオリストになるため、単身東京へ乗り込む。

幼くして故郷をを離れた佐田少年の故郷を思う気持ちが『ちゃんぽん食べたかっ!』の題に込められている。

小説という形をとっているが、ほぼ実話。

さだまさしの生き方自体がマンガのようなのだが、これも期待を裏切らずに抱腹絶倒の青春時代が描かれている。

東京の先生について、一生懸命レッスンんに励むが、東京芸術大付属高校の受験に失敗。さらには、東京芸術大音楽科を目指すも、故郷からの送金もままならず、夢から遠ざかる日々。

大きな挫折感が小説の中心をつらぬいているが、そこはさだまさし。

彼の周りには、面白いことが次々起こる。

バイオリン以外は、絶好調。

バンド活動、落語研究会、小説、漫画、学校祭の企画などマルチな才能を発揮し、学校では、なくてはならない存在。

友人から「おまえがいないと面白くないから、絶対に学校に来い!」と言われ、期待に応え大雪で電車が止まっても4時間以上かけて学校へ行く・・・。

家族と離れ、一人生活の場は、友達にたまり場に。

仕送りなくお金もなく、食べるものが全くない中で、ころがりこんで来た友人のために、命の次に大切なバイオリンを質屋に入れるシーンは、涙なくして読めない。

そのバイオリンもお金がなくて引き出せない状態の中で、友人が自分の大事なギターを質に入れ、こっそり佐田に返すところも感動的なシーンである。

安保闘争、赤軍派の立てこもり、三島由紀夫の自決など、大きな事件も盛り込まれていて時代の流れも感じさせる。

大学時代にバイトのし過ぎで体を壊し、故郷へ帰った時に、友人の吉田正美が訪ねてくる。

することがないなかで、二人で音楽をやっているうちにグレープを結成するというところまで描かれている。

ある落語家は、師匠から落語を勉強しに、「さだまさしのコンサートを聴きに行け」と言われたほどさだまさしの語りは面白い。

その語りそのものが、いかんなく発揮されている小説です。

NHKのドラマとしても、現在放映中です。

さだまさしの人生に興味ある方、または面白い小説を読んでみたい方は、ぜひ、ご一読を。

↓よかったらポチッとしてください。

にほんブログ村 自転車ブログへ
にほんブログ村

より以前の記事一覧

最近のトラックバック

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

日本ブログ村

無料ブログはココログ