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2013年12月18日 (水)

本 『シークレットレース』

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『シークレットレース ~ツール・ド・フランスの知られざる内幕』

タイラー・ハミルトン&ダニエル・コイル 小島修訳

小学館文庫

自転車ブログ等で話題になっていたので読んでみました。

衝撃の内容です。

ツール・ド・フランス7連覇を達成したランス・アームストロングのかっての同僚で2004年アテネオリンピックでは個人トライアル金メダルを獲得したタイラー・ハミルトンのドーピングの告発本です。

主なドーピングは、テストステロン、EPO、血液ドーピングの3種類。

テストステロンは筋肉増強剤。

EPOは、エリスロポエチンというホルモン剤の注射。赤血球を増やす働きをし、筋肉への酸素供給量を増やすことができます。

血液ドーピングは、事前に自分の血液を抜き、冷凍保存しておき、ここというときに体に戻すという方法。

タイラー・ハミルトンは、最初はチームぐるみで、検査が厳しくなってからは個人でドーピングを繰り返ます。

もちろんアームストロングも。常に最先端のドーピングを追い求めていった様子がリアルに描かれています。

この本を読んでいて、あの過酷なツール・ド・フランスで勝つためにはドーピングは必要不可欠なことだということがわかります。

当時は、誰でもやっていたことで、やらなければトップ選手についていくことさえできませんでした。

しかし、大会運営側は、相次ぐドーピング発覚でドーピング検査を強めていきます。選手はいかにうまくやるか、いかにみつからないようにやるか心を砕くようになります。

結局はドーピングをなくすることはできなかった。その頂点に立ち続けたのがアームストロングだったというわけです。

大会運営者も、ドーピング問題が発覚したとき、1年間でも大会を中止し、徹底的にドーピング撲滅を図るべきでしたが、それをしませんでした。

それは、大きなビジネスが行われているからです。多くのスポンサーの多くのお金が動いています。ことを荒立てないで、なんとかやり過ごしたい。この思いが、ドーピングがいつまでもなくならなという結果を生みました。

これって、実は自転車の世界だけではないのではないかと思わされます。

オリンピックは、どうでしょうか。ハンマー投げの室伏選手が上位選手のドーピング発覚で繰り上げになりメダルを獲得したのは記憶に新しいところです。

短距離では、カリブ海の小国の選手が圧倒的ねタイムをたたき出し勝利を収めています。

プロ野球やプロフットボール、相撲などはどうでしょうか。

勝つためには、ドーピングは止むをないことと考え、誰も声を上げない、実態を話さないなんていうことがあるかもしれません。

この本によって自転車の世界は穢れていると思う人がいるかもしれませんが、他のスポーツに先駆けて闇が明らかになったと考えることもできます。

タイラー・ハミルトンは、多くの人が真実を打ち明け、自転車の世界が公平な戦いが行われることを願っています。そのためには、過去を教訓に様々な組織の改革が必要です。

そのきっかけを作ったタイラー・ハミルトンは勇気のある人だと思いました。

ところで、本筋とは関係ないのですが、印象に残ったところがありました。

「(自転車は)鍛えれば鍛えるほど、身体が弱々しい老人のようになる世界で唯一のスポーツだ。長い時間歩いたり立ったりしているとすぐに疲れ、関節が痛みだす。」

普通、スポーツすると体が丈夫になり、歩いたり走ったりしても平気になるって思うんですけど、自転車の特殊性を表していますね。

まあ、一般趣味レベルだとそこまでいきませんが、一面真実かなと思いました。

この本は、面白いと思います。いろんなことを考えさせてくれるので、ぜひお勧めです。

5つ星です。☆☆☆☆☆

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コメント

ご無沙汰しております。

今回の記事の中で

>「(自転車は)鍛えれば鍛えるほど、身体が弱々しい老人のようになる世界で唯一のスポーツだ。長い時間歩いたり立ったりしているとすぐに疲れ、関節が痛みだす。」

の部分は「やまめ」の堂城さんもおっしゃってましたね。
「自転車以外の運動もやらないと、弱りますよ。立てなくなりますよ」と主張されておりました。
確かに自転車は汗をかくし、100kmぐらいの遠くまで行っちゃったりできますので、「随分運動したなあ」という気分になりますが、所詮機械に走らされている部分もあり、筋肉は鍛えられないのですよね。特に軽いロードバイクは。

トライアスリート宣言をしたワタクシとしては、自転車とランと水泳というのは、実はすごくバランスの取れた組み合わせなのだなあと、感心している次第であります。
ランは主に下半身、水泳は主に上半身、自転車は全身運動(自転車で足自体は鍛えられません。あれは重心と軸を意識した全身運動です)と捉えたら、最も理想的な体が作れるのかなあと思っております。

ごしさん、こんにちは。

>「やまめ」の堂城さんもおっしゃってましたね。
>「自転車以外の運動もやらないと、弱りますよ。立てなくなりますよ」と主張されており>ました。

やはりそうなんですね~。
トライスロン魅かれるのもがありますが、プールまでなにしろ遠いので・・・。

今は、ランニングしています。3kmくらいですけど。
とっても遅いです。1キロ10分くらいはかかってます。
でも、歩みは遅いですけどだんだん走れるようになってきています。
当面、トライスロンの水泳抜きでがんばりたいと思います!

ランが上達しましたら、美幌のデュアスロンも面白いかもしれませんね。

翌週に「北海道マラソン」が控えている日程ですので、私は出ることはできませんが。

ごしさん、こんにちは。

>ランが上達しましたら、美幌のデュアスロンも面白いかもしれませんね。

オホーツク管内開催ですからね。でも、つらく厳しそう。
ゆっくり上達するようにがんばりす。
って、もう2日も走ってない。さぼりすですね。

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