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2013年5月 9日 (木)

本 『地のはてから』

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『地のはてから 上・下』 乃南アサ著 講談社文庫

福島県から北海道の知床へ開拓民として入植した一家二代にわたる物語。

一代目はつね、二代目はとわの二人の女性を視点に戦前、戦後の時代が描かれている。

借金に追われ、逃げるようにして故郷を後にして知床の奥地に入植したつねたちは、自然の猛威の前になすすべもない。今でも秘境と言われる知床に暮らすことの苦労は想像に難くない。

朝から晩まで原野を切り開き、念願の畑作を行うが、収穫期にバッタの大群の襲われてしまう。本当に生きるか死ぬかの壮絶な日々を送る。

そんな中、だめな夫は、お金をかせぐと出かけて行くが、酒におぼれて最後は命を落としてしまう。

生活のためにつねは、再婚し、懸命に働き、子供たちを育てていく。

入植時に2歳だったとわは、小学校を出ると小樽のお金持ちに奉公に出される。飢えはなくなるが、来る日も来る日も子守の日々。休みはいっさいもらえない。

この後、とわは、結婚し、多くの子供をもうけることになるが、働きづめの苦労の多い日々を送ることになる。

ここに書かれていることは、北海道へ渡ってきた人々の実話である。夢や希望を抱いて新天地で一旗あげようと懸命に働いてきた人々の姿が描かれている。

この先人に比べると、本当に今の時代は幸せである。週に2日は休みだし、肉体労働にあけくれることもない。人々は、それなりの収入を得て豊かに暮らしている。

でも、ちょっと前までは、生きるか死ぬかで毎日を懸命に生きてきた人がいるのだということを忘れてはならないのだと思う。

それにしても、女性の作家からの視点なのか、だめだめな男ばかりが登場する。もっと、すばらしく素敵な男もたくさんいただろうと思うが、この作家の男性観なのだろうか。

乃南アサは、この本が初めてなので、そこまではわからないけど、ちょっと残念な感じでした。

斜里、岩尾別、宇登呂など、なじみの地名がたくさん出てくるので、親しみやすい本でした。

あと、表紙がいいです。知床の雰囲気が出ていますね。東山魁夷の「緑の窓」の部分だそうです。この作品見てみたいです。

北海道の開拓や歴史について興味がある方にお勧めの本です。

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